本記事に広告は含まれません。 掲載している公式情報は、2026年10月11日に確認しました。
読み終えると、ChatGPTやClaudeが何をしている機械なのか、そして嘘をつく理由まで、公式ガイドの言葉で説明できるようになります。
何をしている機械なのか:ChatGPTもClaudeも、次の一語を確率で選んでいます
LLM(大規模言語モデル)は、入力された文章の続きとして、次に来そうな一語を確率で選び続ける機械です。選んだ一語を文章に足し、またその続きを選ぶ、という作業を繰り返します。
辞書や検索エンジンのように、保存済みの答えをそのまま呼び出していると思われがちですが、実際はそのつど次の一語を確率で選んで文章を組み立てています。
一語を数える単位を「トークン」と呼びます。次に選ぶトークンの候補を絞る設定が「topK」です。
topKを低くするほど、最も確率が高いトークンだけを選ぶ動き(greedy decoding)になります。
出てきた言葉の早見表
トークン
AIが文章を区切って数える単位です。次の一語を選ぶときの最小の単位になります。
ハルシネーション
事実と違う文や、渡した文脈と食い違う文を作ってしまうことです。
RAG
検索で見つけた内容をプロンプトに追加してから答えを作らせる方法です。
temperature
次の言葉を選ぶときの、ランダムさの強さを決める設定です。
候補をどれだけランダムに選ぶかを決めるのが「temperature」です。低くすると手堅い言葉を選びやすく、高くすると幅のある言葉を選びやすくなります。
OpenAIもClaudeも、プロンプト(頼み方の文章)から文章を生成する、という同じ仕組みの上で動いています。
つまり、ChatGPTやClaudeへの頼み方を変えると結果が変わるのは、気まぐれではなく、次の一語の選び方そのものが変わるからです。
なぜ嘘をつくのか:知らないのに答えてしまう場面があります
事実と違う文や、渡した文脈と食い違う文を作ってしまうことを「ハルシネーション」と呼びます。最先端のモデルでも起きると、Claude公式のガイドは説明しています。
ここが落とし穴です。知らないことを尋ねられたとき、「情報が不十分だ」と答える仕組みが既定で働いていると、Anthropicの研究記事は説明しています。
それでも、次の一語を確率で選ぶ仕組みの上では、知っているように見える答えを作ってしまう場面が残ります。
AIの答え、どこまで信じる?
- 1. 資料を渡して、その内容をもとに答えさせている?はい → 資料の言葉をそのまま信じやすいいいえ → 次の質問へ
- 2. 数字や専門知識を聞いている?はい → 検索や出典で裏取りするいいえ → 次の質問へ
- 3. わからない時は「わからない」と言ってよいと伝えた?はい → 言い切る代わりに不確かさを答えやすいいいえ → 知っているふりをして答えやすい
対策として、わからないときは「わからない」と答えてよいと先に伝える方法があります。回答に引用や出典を付けさせ、裏付けが見つからない主張は取り下げさせる方法も、Claude公式のガイドに載っています。
OpenAI公式の精度向上ガイドは、検索で得た内容をプロンプトに追加してから答えを作らせる方法(RAG)を挙げています。生成した回答を後からファクトチェックする工程も、同じガイドにあります。
つまり、数字や専門知識を聞くときほど、答えを検索や出典で裏取りする人のほうが、ハルシネーションに気づきやすくなります。
得意なことと苦手なこと:指示の書き方で結果が変わります
Claude公式のモデル一覧ページは、全モデルがテキストと画像の入力、テキストの出力、多言語対応、画像理解、ツール利用に対応すると説明しています。文章を作る・読み取る・訳す・要約するといった作業は、この仕組みの得意分野です。
一方で、次の一語を確率で選ぶ機械である以上、曖昧な頼み方では答えが安定しません。Claude公式のプロンプトエンジニアリング案内は、指示文を改善する前に、成功の基準を決め、それを確かめる方法を用意しておくよう案内しています。
つまり、同じ質問でも、何を正解とするかを先に決めて頼む人のほうが、安定した答えを引き出しやすくなります。
手元で試すと、「300字程度」の答えは210字でした
文章の長さを頼んでも、その字数にぴったり合うとは限りません。手元のモデルに導入文を頼むと、計測した3回とも本文は210字でした。
2026年10月16日、Apple M4 ProとOllamaでqwen3.5:2bを動かしました。初回を除き、同じ依頼を3回送りました。
依頼は「AIツールを比較する記事の導入文を、事実を断定せず、300字程度で」です。思考はオフ、temperatureは0、seedは42、出力の上限は256トークンに固定しています。
トークンは、モデルが文章を数える単位です。生成速度の中央値は23.6トークン/秒でした。ただし試行ごとに幅があり、キャッシュの設定も既定のままです。
字数の結果を見れば、頼んだ長さと実際の長さを分けて確かめる意味が分かります。字数制限のある原稿に使うなら、出てきた本文を最後に数えてください。
これは小型モデルを使った一例です。ChatGPT・Claude・Geminiの速度や回答品質、誤情報の出やすさは測っていません。
出典: 実測の生データ(初回と各試行、固定した依頼文を収録)。
覚えておくこと
ここまでの内容を3つにまとめます。
- LLMは、次に来そうな一語を確率で選んで文章を組み立てる機械です。
- ハルシネーションは、知らないことにも答えてしまう場面として起きます。
- 成功の基準を先に決めて頼むと、答えが安定しやすくなります。
