AIの基礎

AIのモデル、どれを選べばいい?|賢さ・速さ・値段は同時に取れない

この記事の料金・仕様は時点で各社の公式ページを確認したものです。

賢さ・速さ・値段の三つを天秤にかけるイメージ図

Claude・ChatGPT・Geminiのモデルは、賢さ・速さ・値段を同時には取れません。公式の一覧から、段の見分け方と迷わない試し方を確かめます。

結論

失敗したくない難しい仕事を任せる人は
各社の一番上のモデルから試すのが近道です。公式も、深い推論や長く続く自動作業は最上位の役目だと位置づけています。
毎日の仕事を、速さと値段のつり合いで回したい人は
真ん中の段が出発点です。足りなければ、同じモデルのまま考える深さの設定を上げる手もあります。
仕分けや抜き出しを大量に回す人は
小型のモデルから始めるのが筋です。Claude公式も、小さく速いモデルで始めて、足りない所だけ上げる進め方を案内しています。

本記事は広告を含みます。 掲載している公式情報は、2026年10月19日に確認しました。

同じ Claude の中にも、入力の料金が10米ドルのモデルと、2米ドルのモデルがあります。

読み終えると、モデル名を見て、賢さ・速さ・値段のどこに寄ったモデルかを見分けられます。 Claude・ChatGPT・Gemini の三つをまとめて扱います。

ChatGPT を作る OpenAI の分は、開発者向け(API)の公式一覧を使います。 ChatGPT のアプリ画面で選べるモデルは、この一覧とは別に確かめてください。

賢さ:一番上のモデルは、難しい仕事のために用意されています

三社とも、一番賢いモデルを「難しい仕事用」の席に置いています。 モデル名は違っても、役割は同じです。

Claude Fable 5.1 は、深い推論や、長く続く自動作業のためのモデルです。 OpenAI の GPT-6 Astra は、一番要求の厳しい仕事に向く最高性能のモデルです。 Google は、Gemini 4 Argon を旗艦の推論モデルと位置づけています。

一番上を選べば間違いない、と思われがちです。

実際は、Claude 公式は小さく速いモデルから始める進め方も案内しています。 多くの用途ではそれで十分なことが多い、という考え方です。

逆に、複雑な作業では、強いモデルで始めて、あとから軽いモデルへ下げる進め方もあります。

つまり、最上位は「いつも使う席」ではなく、「小さいモデルで足りなかった時の席」です。 難しい仕事だけ、上の段に任せましょう。

出典: Claude 公式のモデル一覧とモデル選びのページ、OpenAI 公式のモデル一覧、Google 公式のモデル一覧(2026年10月19日確認)

速さ:小さいモデルほど先に返事が来ます

Claude の公式一覧では、速さは「遅め・中くらい・速い・最速」の四段に並んでいます。 一番上の Claude Fable 5.1 が遅めで、小型の Claude Haiku 5.5 が最速です。

出てきた言葉の早見表

段

同じ会社のモデルが、賢さ・速さ・値段の違いで並ぶ階段のことです。

effort(考える深さの設定)

同じモデルのまま、賢さを速さや費用と交換する設定です。

MTok

料金表で使われる、トークンの量の単位です。

出典: 各社の公式ページ(2026年10月19日確認)

上の早見表で、「段」と「effort」の意味を先に押さえておくと、この先が読みやすくなります。

Claude Opus 5.5 は中くらい、Claude Sonnet 5.5 は速い、という並びです。 Gemini 側では、Gemini 3.5 Flash-Lite がGemini 3.5世代で最も速いモデルとされています。

ここが落とし穴です。 この速さは一覧の中での相対的な比べ方で、実際の遅れは入力の長さ・出力の長さ・考える深さで変わります。

長い資料を読ませたり、深く考えさせたりすると、小さいモデルでも待たされます。

もっと速くしたい時は、モデルを替える前に effort を下げる手があります。 Claude 公式は、この設定を調整するほうが、モデルを替えるよりよい手になることが多いと案内しています。

つまり、返事の速さを求める人は、まず小型の段を見て、足りなければ同じモデルの設定で調整しましょう。

出典: Claude 公式のモデル一覧とモデル選びのページ、Google 公式のモデル一覧(2026年10月19日確認)

値段:一つの会社の中でも、段で大きく開きます

値段は「入力」と「出力」に分かれていて、段が上がるほど高くなります。 料金表の MTok は、百万トークンぶんの量を表す単位です。

トークンは、AI が文章を数える単位です。 日本語の文章を、AI が小さく区切って数えたものだと考えてください。

Claudeの入力の値段(MTokあたり)

Claudeの入力の値段(MTokあたり)。出典: 各社の公式ページ(2026年10月19日確認)

上の図は、Claude の三つの段の入力の値段です。 一番上の Claude Fable 5.1 は10米ドル、真ん中の Claude Sonnet 5.5 は2米ドルです。

小型の Claude Haiku 5.5 は、入力が0.10米ドルから、出力が0.50米ドルからです。 出力は、入力より値段が高く設定されています。

OpenAIの入力の値段(MTokあたり)

OpenAIの入力の値段(MTokあたり)。出典: 各社の公式ページ(2026年10月19日確認)

上の図は、OpenAI の三つの段の入力の値段です。 GPT-6 Astra は入力10米ドル、GPT-6.1 Sol は2米ドル、GPT-6 Luna は0.1米ドルです。

GPT-6.1 Sol は、複雑な仕事で最上位に近い性能を、より低い費用で出すモデルと位置づけられています。 一段下げるだけで、入力の値段は大きく下がります。

Gemini の値段は、この記事では比べません。 確認した範囲では、Gemini のモデル一覧のページから値段を読み取れなかったためです。

つまり、毎日たくさん回す人ほど、一番上ではなく、真ん中か小型の段で十分かを先に確かめるのが得です。

出典: Claude 公式のモデル一覧、OpenAI 公式のモデル一覧(2026年10月19日確認)

同じ日本語でも、数えるトークンの数は会社で変わりました

値段はトークンの量にかかります。 では、同じ日本語でも、会社によって数が変わるのでしょうか。

2026年10月18日に、公開されている数え方の道具で調べました。 OpenAI 側は gpt-4o-mini 向けの tiktoken、Google 側は gemini-2.5-pro 向けの Google の道具を使っています。

使った道具は、macOS・Python 3.14.8・tiktoken 0.14.0・google-genai 2.31.0 の環境で動かしました。 Google の道具は、実験版の実装です。

固定した日本語の依頼を三種類用意し、同じ文を両方の道具で数えました。 結果は次のとおりです。

  • 会議メモの整理:OpenAI 側が70トークン、Google 側が60トークン
  • 取引先への確認メールの下書き:OpenAI 側が75トークン、Google 側が63トークン
  • 問い合わせの分類:OpenAI 側が56トークン、Google 側が48トークン

三種類とも、同じ文で数が違いました。 どの文も、Google 側の道具のほうが少なく数えています。

ここで分かるのは、会社ごとに文章の数え方が違うことだけです。 実際の請求額は測っていません。

Claude の数え方も測っていません。 また、数えたのは公開されている道具が対応するモデルで、この記事の一覧に出てくる最新のモデルそのものではありません。

三種類の短い依頼だけの結果なので、長い文章や別の話題では違う数になる可能性があります。

つまり、料金表の単価だけを並べても、同じ文を送った時の請求は同じとは限りません。 見積もりは、自分の依頼文を実際に数えてから出しましょう。

出典: 測定の生データ(2026年10月18日の記録)、tiktoken の対応表、Google の計数の道具

自分で試す:同じ依頼を二つの段で並べます

Claude 公式は、自分の実際の依頼文とデータで、モデルを比べるよう案内しています。 比べる観点は、答えの正確さ・答えの質・例外的な場面の扱いの三つです。

どの段から試すか

  1. 1. 失敗すると困る、難しい仕事ですか?
    はい → 最上位の段(Claude Fable 5.1・GPT-6 Astra・Gemini 4 Argon)から試すいいえ → 次の質問へ
  2. 2. 仕分けや抜き出しを、大量に速く回したいですか?
    はい → 小型の段(Claude Haiku 5.5・GPT-6 Luna・Gemini 3.5 Flash-Lite)から試すいいえ → 次の質問へ
  3. 3. 毎日の仕事を、速さと値段のつり合いで回したいですか?
    はい → 真ん中の段(Claude Sonnet 5.5・GPT-6.1 Sol・Gemini 2.5 Flash)から試すいいえ → 迷うなら真ん中の段で始め、足りなければ設定か段を上げる
出典: 各社の公式ページ(2026年10月19日確認)

上の図で、まず自分がどの段から入るかを決めてください。

次の手順で試せます。

  • 毎日使っている依頼文を一つ選びます。
  • その依頼を、小さい段と一段上の段に、同じ文で送ります。
  • 三つの観点で、答えを並べて見比べます。

小さい段で足りたなら、そこで止めて構いません。 足りない所があれば、その所だけ上の段に任せましょう。

詳しい仕組みは、LLMって結局なに?で説明しています。 料金だけを並べて見たい人は、API料金の比較記事へどうぞ。

結論:用途で段を決めれば、迷いは減ります

迷った時は、仕事の重さで段を決めるのが一番近道です。 下の表のとおりに、入る段を選んでください。

こういう仕事ならこの段から試す
失敗すると困る、難しい仕事最上位の段
毎日の仕事を、無理なく回したい真ん中の段
仕分けや抜き出しを、大量に回したい小型の段

三つの軸は、全部は取れません。 賢さを取れば遅く高くなり、速さと安さを取れば、難しい仕事は苦手になります。

だから、モデルを替える前に、まず自分の依頼で試して決めましょう。

覚えておくこと

迷ったら、次の三つを思い出してください。

  • 賢さ・速さ・値段は同時に取れず、段で交換する関係です。
  • 最上位は、小さいモデルで足りなかった仕事のために使います。
  • 値段は、自分の依頼文を実際に数えてから見積もります。

出典

このサイトで測った元データ

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